印刷会社のSDGs はもったいないから始まった

「ハガミさん」は、捨てられるはずだった紙から生まれました
「ハガミさん」という名前の語源は、印刷物を断裁する際に出る細長い端紙にあります。
毎日、専用の袋に入れられ、何気なく捨てられていくその紙を見て、「この細長い紙から、何かできることはないだろうか?」そんな素朴な疑問が、すべての始まりでした。

端紙で遊ぶように、ものづくりが始まった日
手先の器用な社員が、その端紙を使ってアコーディオンのように折ってみたり、同じ長さに切ってボールを作ってみたり、輪っか状につなげてみたり——。
「遊び」のような試みの中から、端紙にはまだまだ可能性があるという気づきが生まれました。
当社は一般社団法人日本グラフィックサービス工業会(以下からJaGra)神奈川県支部のSDGs委員会にも参加しており、日頃から残紙やヤレ紙の処分について意識してきました。こうした積み重ねが、「捨てない選択」へ自然とつながったのかもしれません。

細長い端紙を“商品”にするという挑戦
その細長い用紙を、大きさ別にそろえてパッケージ化したもの。
それが「ハガミさん」の第一歩でした。
商品の裏面には制作事例を掲載していますが、細長い紙は、作る人の感性次第でまったく違う形に生まれ変わります。
決まった正解はなく、自由な発想こそが魅力です。
次に目を向けたのは、毎日捨てられていたカラーチャート
次に取り組んだのが、オンデマンド印刷機から毎日出力されるカラーチャート調整紙です。
CMYKの色を確認するためだけに使われ、役目を終えると処分されてしまう紙。
A3ノビサイズという大きさを活かし、
• メガホンにする
• ランチョンマットにする
などの案も出ましたが、既存商品との差別化が課題でした。
そんな中、社員の一人が「花屋さんで花を渡すときに使えないだろうか?」というヒントをくれました。

ペットボトルが花瓶になる、エコなペーパーカバー
病室など花瓶が用意できない場所でも、
自動販売機で買ったペットボトルを花瓶代わりにできる——。
こうして生まれたのが
「花瓶がなくても花を飾れる、とってもECOなペットボトル・ペーパーカバー」
という、少し長い名前の商品です。
印刷所で生まれる余剰紙や調整紙だからこそできた、環境にもやさしいアイデア商品です。
名刺サイズの端紙から生まれた「紙ホイッスル」
続いて挑戦したのは、名刺サイズの端紙。
このサイズで何かできないかと考え、生まれたのが紙製のホイッスルです。
糊とハサミを使い、切って折り込んでいくと笛になる仕組みで、吹き口の角度を調整しながら音が鳴る場所を探すのも楽しみの一つ。
特に子ども向けイベントでは、「自分で作った紙から音が出た!」
という笑顔を見るたび、紙は工夫次第で、まだまだ生きると実感しています。

空を飛ぶ!?「ハガミコプター」誕生
最近では、同じく名刺サイズの端紙を使った
「ハガミコプター」も誕生しました。
高いところから落とすと、クルクルと回りながら落ちていく様子は、まるでヘリコプター。
印刷調整紙を使った、ちょっと楽しいペーパートイです。
SDGsとの出会いが、ものづくりの軸をつくった
コロナ禍で経済が止まり、仕事が激減した時期でした。
「SDGs」という言葉やカラフルなバッジが目に留まり、調べてみると、17の目標それぞれに意味があり、
一つひとつの行動が持続可能な社会につながる——。
その考えに共感し、現在のハガミさんの商品開発へとつながっています。

つながりが生んだ、新しい価値
SDGsの活動を通じて、障がい者施設の方が描いた文字や絵をデジタル化されて商品作りに取り組んでいる方と出会い弊社の活動をお話しして意気投合お互いの足りない部分を補いながらコラボ商品を作ろうと2024年12月には、横浜の情報処理専門学校の学生さんがデジタル処理したデータを当社の余剰紙に印刷した商品を展示販売。売上の一部を障がい者施設へ寄付する取り組みに参加しました。
また、「近隣の障がい者施設」さんのチャリティーバザーへの出店など、SDGsを通じて多くの方々とつながれたことが、私たちにとって何よりの成果だと感じています。
これからも、紙の可能性を信じて
捨てられるはずだった紙に、もう一度役割を与えること。「もったいない」という気持ちから始まった取り組みが、人と人をつなぎ、新しい価値を生み出しています。
これからも私たちは、
紙の可能性と、ものづくりの力を信じて歩んでいきます。

