印刷会社の余り紙問題 〜「もったいない」から生まれた新しい価値づくり
印刷会社に勤めていると当たり前のように使う言葉があります。それが 「残紙(ざんし)」 です。
一般の方にはあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、残紙とは文字通り「印刷後に残った紙」のことを指します。今日は、印刷会社と切っても切れない「残紙」のお話をしたいと思います。

印刷会社はなぜ紙が余るの?
印刷会社では、チラシやパンフレット、冊子などを印刷する際、1枚や10枚といった少量ではなく、
・1,000枚
・10,000枚
・100,000枚
といった大量の印刷物を生産することが少なくありません。しかし、いきなり本番印刷を始めるわけではありません。
まずは、
・色が正しく再現されているか
・印刷位置にズレがないか
・濃度や品質に問題がないか
を確認するために、テスト印刷を行います。
また、印刷用紙も1枚単位ではなく、
・250枚
・500枚
・1,000枚
といった包装単位で購入するのが一般的です。
そのため、本番前の調整やテスト印刷に使用する「損紙(そんし)」や予備紙が必要になります。通常、印刷数量に対して約10%前後の予備紙を見込んで準備するため、どうしても余りが発生してしまうのです。
「いつか使うかもしれない」が増え続ける理由
印刷後に残った用紙は、まだ十分に使用できるため、多くの印刷会社では「残紙」として保管しています。
クリエイト横浜でも、「次回同じ用紙を使う仕事があるかもしれない」という思いから、できるだけ保管するようにしています。
しかし、紙は実はとてもデリケートな素材です。
湿度の高い夏場や乾燥する冬場には、
・紙の反り
・紙焼け
・変色
・品質劣化
が起こることがあります。
せっかく保管していた紙も、いざ使おうと思った時には商品として使用できず、処分せざるを得ないこともあります。また、保管している間に同じ用紙の注文が入らず、倉庫スペースの都合でまだ使える紙を処分しなければならないケースも少なくありません。
端紙はなぜ発生するの?
端紙とは、印刷や加工工程の中で発生する紙の余り部分のことです。
主な発生理由としては、
・印刷機に用紙を通す際の見当(位置)合わせ
・断裁時に必要となる仕上げ余白部分
・面付け後に余るスペース
・印刷ミスや色調整時に使用した紙
・製本・抜き加工時に不要となる部分
となります。

「もったいない」から生まれた挑戦
そんな残紙や端紙を目の前にして、「まだ使える紙を捨てるのはもったいない」
という思いが、私たちの中で大きくなっていきました。
そこで生まれたのが、「ハガミさん」という取り組みです。
残紙が楽しいペーパークラフトに変わる
ハガミさんは、印刷工程で発生した端紙や残紙を活用したアップサイクル商品です。
例えば、
・紙を編み込んで作る「編み込みボックス」
・ペットボトルにかぶせるだけで花瓶になる「紙製花瓶カバー」
・名刺サイズの紙で作る「紙ホイッスル」
・空高く飛ばして遊べる「ハガミコプター」
につながります。
これはSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」にも通じる取り組みです。
捨てるから活かすへ
印刷会社にとって残紙は永遠の課題かもしれません。
しかし、その課題を「もったいない」で終わらせるのではなく、新しい価値へ変えていくことができれば、紙にはまだまだ多くの可能性があります。
クリエイト横浜では、
これからも残紙や端紙を活用した商品開発や体験イベントを通じて、資源を大切にする文化を発信してまいります。
あなたも一緒に、紙の新しい可能性を体験してみませんか。

